歌舞伎町子ども若者食堂「それぞれ」
「それぞれ」子ども若者食堂での食べ物

歌舞伎町子ども若者食堂「それぞれ」

(English Version Here)

今回お邪魔させて頂いた子ども食堂は、歌舞伎町子ども若者食堂「それぞれ」でした。

正直に言って、歌舞伎町にあるということで「それぞれ」に行くのを少し心配していました。しかし、子ども食堂は「貧しい子供が行く場所」というネガティブなイメージを変えるために作ったブログなのに、子ども食堂の場所に対する偏見によっていかないという考えは矛盾していると思い、偏見を捨てて行ってきました。結果的にはとても貴重な経験となりました。

歌舞伎町といっても、場所は歌舞伎町と新宿の境界線にある子ども食堂で、15:00頃にお邪魔したので、心配していた「危ない」という感じは全然なかったです。そして歌舞伎町という場所であったからこそ、とても特徴的な子ども食堂でした。

子ども若者食堂「それぞれ」はSuccess in Lifeという名の団体が運営しています。団体の立ち上げ人の田中利英さんの話を詳しく聞くことが出来、とても波乱万丈な人生を生きてきたことが良く分かりました。普段は行政書士として働いている田中さんは、小さい頃は酒乱の父親と暮らしていて、幼少時は生死を彷徨う交通事故を経験されたそうです。なかなか家に帰れない定時制高校に通っていた頃の田中さんにとって安心出来る場所は職員室でした。優しい先生方と時間を過ごし、時には職員用の寮にも泊まらせてもらう日もあったそうです。田中さんは、「若い頃の職員室のような場所を今の若者達のために作りたい」、「必須である『居場所』を作りたい」、という夢をずっと抱いていました。

しかし、その夢の実現はなかなか叶わないままでしたが、、、歌舞伎町卍会のハウルさんとの出会いによってその夢の実行に再び炎が燃えました。

歌舞伎町卍会は大まかに言いますと、若者が集まるトー横広場のボランティア活動団体でした。ハウルさんを中心とし、広場のゴミ拾い、お腹が空いて座っている若者達への食べ物の配布、悩み相談などの活動をしていた200人以上から成る団体でした。「居場所」が欲しい若者達にとっては、歌舞伎町卍会は他人と一緒に食べたり、相談に乗ったり、時間を過ごしたりすることが出来るありがたくて、楽しい集会でした。しかし、ハウルさんの逮捕、歌舞伎町卍会は解散となり、トー横の広場は以前ほど「居場所」を探していた未成年などの若者達にとっては安心して行ける場所ではなくなりました。

ハウルさんのボランティア活動に影響を受けた田中さんは、前から持っていた夢の実現に挑戦し始めました。歌舞伎町卍会の様に、「居場所」を探している若者達がご飯を食べて、相談に乗ってくれる人がいる、安心して過ごせる場所を作りました。田中さんは「居場所」だけではなく、Success in Life, 「人生の成功」という団体名の通り、未成年の若者達の学習支援や将来のサポートなどに携わることを今後の目標として活動しています。

寝たり、ゲームをして遊んだりするスペース

子ども「食堂」といっても、会場は貸切の部屋でした。キッチン、お風呂、マットレスが設置されてあり、とにかく時間をゆっくり過ごすことが出来るスペースでした。子どもの食堂よりも、若者達がほっと出来る様な貴重な「居場所」でした。

元々、「それぞれ」という名前は田中さんが一緒に飲んでいた人達のグループ名だったそうです。その飲み会のグループも田中さんの「居場所」作りの一つでした。メンバーは多様な方々ばかりで、引きこもりやLGBTの方などを含むグループで、みんなそれぞれ多様な悩みを抱えている人達の集まりでした。その「それぞれ」の悩みについて話したいときはみんなで相談に乗るし、自身の悩みについては話したくないけれど、他の人と一緒に楽しい時間を過ごしたい方はみんなで「居場所」を作るなどし、盛り上がっていたそうです。

その飲み会グループと同じ様な考え方の食堂を作りたいという思いで田中さんは現在の子ども若者食堂を設立させました。私がお邪魔した日は参加者が少なめの日でしたので、友達の家に遊びに来ている様な気分でした。マシュマロやチョコ類のお菓子が並んでいる背景を見て、小学校の放課後に友達の家にお邪魔しておやつを出し合ったことを思い出しました。田中さんが作って下さった冷やし中華も友達の料理を頂いているかの様な気分でした。

初めて会った方々にも関わらず、とても落ち着いて話すことが出来ました。将来行きたい国や出身地の観光などの話をするだけでも、とてもほっとして、安心してなんでも話せてしまう感じでした。みんなそれぞれ何かしらのストレスや悩みを抱えていたと思いますが、悩み相談でなくても、お互いのそばにいて、話をするだけでもとても安心して落ち着くことが出来るのではないかと思いました。「それぞれ」子ども若者食堂はなぜ「居場所」として成り立つのかが、みんなと時間を過ごしてよく分かりました。

田中さんは「子ども食堂とは」という質問に、「『居場所』だと思います」と答えました。私は田中さんと全く同じ考えです。

みんな誰でも少し寂しい日常を暮らしていると思います。どのような人生を過ごしてきたとしても、「それぞれ」子ども若者食堂のように、家族以外の「居場所」があるということはとても大切なことだと思います。子どもはもちろん、若者達の「居場所」というものは、今こそとても必要なものだと思います。全く知らない人達だとしても、有意義な時間を他人と一緒に過ごすことの出来る、「居場所」作りは今回どれだけ必要なのかを、若者世代の私は改めて感じました。

みんなも、どんな歳でも、歌舞伎町子ども若者食堂「それぞれ」の様な居場所を探してみてください。

田中さんのGmail:tanaka-t@gyosei.or.jp

Success in Life ウェブサイト:

Success in life(サクセス イン ライフ)

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