あおとこども食堂

あおとこども食堂

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あおとこども食堂は、まるで昔の日本映画に出てくるような、みんなが顔見知りの地域の人々が集まる居場所でした。

あおとこども食堂は毎月第2・4土曜日に、マンションの棟が並ぶ森のような住宅街の集会所で開かれています。そこの地域の方々が集まって触れ合うことの出来る場所でした。住宅街の集会所で開かれているからこそ、他の子育て世代の方々と出会う機会があり、家族の友達やママ友が作りやすいのだと思います。ママ友からのお誘いによって参加された方も多かったようで、親達のネットワークがしっかりと繋がっている様子でした。

あおとこども食堂を運営しているのはNPO法人レインボーリボンです。葛飾区にある公立小学校のPTAのお母さん達の出会いから始まったレインボーリボンさんは2006年から活動されています。当時のPTAは外国人のお母さんや障がいのある子どものお母さんなど、多様性豊かなグループだったそうです。「面倒くさい」などのネガティブなイメージがあるPTAですが、「子どもの幸せ」を目標にして多様性のある保護者と一緒に活動するのがどれほど楽しく、重要なのかを広めたい気持ちで活動し始めたのがレインボーリボンでした。レインボーの様な多様性を生かして、それをリボンの様な横の絆で結ぶ、というとても心温まる思いで団体を「レインボーリボン」と名付けたそうです。

元々レインボーリボンさんは、保護者の方々にもっとPTAに興味を持ってもらうための活動を主にされていましたが、2012年に起きたいじめ事件をきっかけとしていじめ防止活動も始め、2016年には子ども食堂の情報拡大や子どもの貧困問題に関する関心をきっかけに子ども食堂の活動も始められました。その三本柱で団体は現在まで活動をされています。

集会所に行く前からも、子ども食堂がどれほど計画的で組織化されているのかがよく分かりました。例えば、5日前から公式LINEアカウントを通じて、子ども食堂に関する詳細な情報や個人の予約フォームが登録者に送信されていました。そして、ボランティアを希望する方はその公式LINEを通じて簡単に申し出ることが出来、アレルギー制限や緊急連絡事項を知らせた後に、ボランティアに関する注意事項が送信されてくる仕組みになっていました。

様々なルーティーンの中で、一番組織化されているなと感じたのは、子ども食堂の前と後に行われるボランティアとスタッフの会議でした。子ども食堂の前には、ボランティア達とスタッフが自己紹介をし、レインボーリボンの代表の緒方さんがその日の特記事項を伝えていました。子ども食堂の後には、ボランティアとスタッフが感想などを伝え合う反省会をしました。子ども食堂をよりよくしたいという精神がとても伝わってきました。

私があおと子ども食堂へ行った土曜日はボッチャ会の日でした。そこで、葛飾ボッチャ協会の方々がボッチャ会のサポートのために来ていて、その方々からボッチャのコート作りや競技のルールなどを教えて頂きました。あまり知られていないボッチャですが、葛飾ボッチャ協会の方々がとても分かりやすくボランティアとスタッフに説明してくださり、とても盛り上がりました。誰でもが参加出来るスポーツで、レインボーリボンの団体にピッタリなアクティビティーでした。

ボッチャUKによると、ボッチャは、運動器に障害がある方でも出来る様に作られたパラリンピック競技として1984年に作られました。投げたり、蹴ったり、ランプを使ったりして、「ジャックボール」に一番近い位置にボールを置くことを競い合うスポーツです。

私がお邪魔した土曜日はお盆休み中だったので、遊び場で遊んでいる人やお弁当の注文量などが比較的少なかったそうです。しかし、遊び場で遊んでいる人は20人程、お弁当の注文量は80食以上という、少なめだとは思えない程の数でした。通常の週には、なんと、120食以上のお弁当を作った日もあったそうです!

帰りにボランティアやスタッフの方々などがお弁当を持ち帰ることが出来、帰りに私も夜ご飯として頂きました。とっても美味しかったです。卵、きのこ、お米、鶏肉などの具材がたっぷり詰まったお弁当を無料で持ち帰ることが出来るとは、なんて幸せなのだろうと思いました。栄養たっぷりで、保存料のないお弁当なので、夜ご飯のために持ち帰るご両親達はきっと安心出来るのではないしょうか。

多国籍の家族が沢山住んでいらっしゃる地域にあるあおとこども食堂は、国籍の違う子どもや両親が来ることも多々あり、多様性豊かな居場所となっています。私がお邪魔した土曜日に外国籍の母親と話すことが出来ました。「家で息子とは英語で話すので、日本語が聞こえる子ども食堂の遊び場で遊ぶことが出来てとてもありがたいです。そして、息子は(遊び場で)遊ぶたびに、知らない人達がいる環境に段々慣れてきました」とおしゃっていました。私が他の幼い子ども達を見ていると、その両親達も同じ様な思いでいらっしゃっているのではないかと思いました。

緒方さんにとって子ども食堂とは、「楽しみの場所」であるそうです。私はあおとこども食堂にお邪魔して、緒方さんの思いに共感しました。ボランティアとしての私の仕事は、子ども達と一緒に遊ぶことだったのですが、短い時間と人数が少ない中でも楽しみが沢山ありました。鬼ごっこをしたり、パンダの真似をして人形を操ったりする子どもの様な楽しみを感じるのはとても久しぶりでした。鬼ごっこをする場所、ボッチャをするコート、幼い子達が遊ぶ遊び場などから楽しみが溢れていました。あおとこども食堂の集会所を外から見たら、賑わいの笑い声が聞こえ、お弁当の香りがし、とても心温まる景色でした。

レインボーリボンさんは活動をとても熱心にされています。あおとこども食堂は地域からの沢山のサポートで続けられている、コミュニティーで成り立っている居場所でした。

レインボー・リボンさんにお問い合わせしたい場合は、以下の記載をご確認下さい。

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葛飾区でこども食堂を運営 NPO法人レインボーリボン | TOPページ
NPO法人レインボーリボンは葛飾区内で3つのこども食堂を運営しています。子供たちに栄養のある食事の提供と地域全体で子供の成長を見守ります。また、小学校中学校のいじめ防止活動やPTA支援活動を通して、よりよい学校作りをお手伝いしています。


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